エンジニア採用にかかった費用を計算するとき、求人媒体の掲載費や人材紹介会社へ支払った手数料だけを集計していないでしょうか。
実際の採用活動では、採用担当者の人件費、現場エンジニアによる書類選考や面接、採用会議、スカウト送信、応募者対応など、社内でも多くのコストが発生しています。
そのため、エンジニア採用の費用対効果を正しく把握するには、外部へ支払った費用だけでなく、社内で発生した工数も含めて計算する必要があります。
この記事では、エンジニア採用コストの基本的な計算方法から、外部コスト・内部コストの内訳、採用チャネル別の計算方法、具体的な計算例、採用コストを削減するポイントまで詳しく解説します。
エンジニア1人あたりの採用単価
(外部コスト+内部コスト)÷採用人数
この記事で分かること
- エンジニア採用コストに含める費用
- 1人あたりの採用単価の計算方法
- 採用担当者や面接官の人件費の算出方法
- 求人媒体、人材紹介、スカウト、RPOの比較方法
- 採用コストが高くなる原因
- 採用の質を下げずにコストを削減する方法
目次
エンジニアの採用コストとは
採用コストとは、人材を採用するために発生した費用の総額です。
求人媒体への掲載費や人材紹介手数料など、外部企業へ支払う費用だけでなく、採用担当者や面接官の人件費、採用会議、応募者対応などの社内コストも含まれます。
採用活動全体にかかった費用を把握することで、どの採用手法に費用がかかっているのか、どの採用チャネルの費用対効果が高いのかを判断しやすくなります。
採用コストと採用単価の違い
採用コストと採用単価は、似ているようで意味が異なります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 採用コスト | 一定期間の採用活動全体にかかった費用 |
| 採用単価 | 採用者1人あたりにかかった費用 |
| 外部コスト | 求人媒体や人材紹介会社など、社外へ支払った費用 |
| 内部コスト | 採用担当者や面接官の人件費など、社内で発生した費用 |
例えば、半年間の採用活動に600万円を使い、3人のエンジニアを採用した場合、採用コストの総額は600万円、1人あたりの採用単価は200万円です。
採用単価=採用コスト総額÷採用人数
エンジニア採用でコスト計算が重要な理由
エンジニア採用では、職種や必要なスキル、経験年数によって採用難易度が大きく異なります。
同じエンジニアという名称でも、未経験エンジニアとテックリード、社内SEとAIエンジニアでは、候補者数や想定年収、使用する採用媒体、選考方法が異なります。
そのため、採用コストを計算せずに採用活動を続けていると、次のような問題が起こります。
- 効果の低い求人媒体を継続してしまう
- 人材紹介手数料だけで予算を使い切ってしまう
- 現場エンジニアの面接工数が増え続ける
- スカウト送信に時間を使っても採用につながらない
- 採用人数は確保できても早期離職によって再採用が必要になる
採用コストを定期的に計算し、採用チャネル別・職種別に比較することで、予算配分や採用手法を改善できるようになります。
エンジニア採用コストに含める費用
エンジニア採用コストは、大きく「外部コスト」と「内部コスト」に分けられます。
外部コストの内訳
外部コストとは、採用活動のために外部企業やサービスへ支払った費用です。
| 費用項目 | 具体例 |
|---|---|
| 求人広告費 | 求人サイトの掲載料金、オプション料金 |
| 人材紹介手数料 | 採用決定時に支払う成功報酬 |
| ダイレクトリクルーティング費 | 候補者データベースの利用料、成功報酬 |
| スカウト代行費 | 候補者選定、文面作成、送信代行費 |
| 採用代行・RPO費 | 採用戦略や採用実務の委託費 |
| 採用管理システム費 | ATSや日程調整ツールの利用料 |
| 適性検査費 | 適性検査、技術試験、コーディングテスト |
| 採用サイト制作費 | 採用ページ、求人LP、写真、動画の制作費 |
| 採用イベント費 | 説明会、ミートアップ、採用イベントの参加費 |
| 採用広報費 | インタビュー記事、テックブログ、SNS運用費 |
外部コストは請求書や契約書から確認できるため、比較的集計しやすい費用です。
ただし、年間契約の採用媒体や複数職種で利用している採用ツールは、対象期間や職種ごとに費用を按分する必要があります。
内部コストの内訳
内部コストとは、採用活動に関わった社員の人件費や、社内で発生した費用です。
| 費用項目 | 具体例 |
|---|---|
| 採用担当者の人件費 | 求人作成、応募者対応、面接調整、進捗管理 |
| 現場エンジニアの人件費 | 書類選考、技術面接、カジュアル面談 |
| 責任者・経営者の人件費 | 最終面接、オファー面談、採用判断 |
| 採用会議の人件費 | 採用要件の整理、評価会議、振り返り |
| スカウト送信工数 | 候補者検索、文面作成、送信、返信対応 |
| リファラル採用費 | 社員紹介のインセンティブ |
| 候補者への支給費 | 交通費、宿泊費、会食費 |
| 入社準備工数 | PC、アカウント、研修、受け入れ準備 |
内部コストは請求書として残らないため、計算から漏れやすい項目です。
特にエンジニア採用では、現場社員が技術面接やカジュアル面談に参加することが多いため、面接官の工数も含めて計算することが重要です。
エンジニア採用コストの基本的な計算方法
採用コスト総額の計算式
採用コストの総額は、外部コストと内部コストを合計して計算します。
採用コスト総額=外部コスト+内部コスト
例えば、次の費用が発生したとします。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 求人媒体費 | 100万円 |
| 人材紹介手数料 | 240万円 |
| スカウトサービス費 | 60万円 |
| 採用担当者の人件費 | 100万円 |
| 面接官の人件費 | 50万円 |
この場合、採用コスト総額は次のようになります。
100万円+240万円+60万円+100万円+50万円=550万円
1人あたりの採用単価の計算式
1人あたりの採用単価は、採用コスト総額を採用人数で割って計算します。
採用単価=採用コスト総額÷採用人数
550万円の採用コストで5人を採用した場合は、次の計算になります。
550万円÷5人=110万円
この場合、エンジニア1人あたりの採用単価は110万円です。
内部コストを人件費から計算する方法
内部コストは、採用業務にかかった時間と担当者の時間単価から計算します。
内部コスト=採用業務にかかった時間×担当者の時間単価
時間単価は、簡易的には次の式で計算できます。
時間単価=年間人件費÷年間労働時間
例えば、年間人件費720万円、年間労働時間1,920時間のエンジニアが、採用活動に80時間を使った場合を考えます。
- 年間人件費:720万円
- 年間労働時間:1,920時間
- 時間単価:3,750円
- 採用業務に使った時間:80時間
720万円÷1,920時間=3,750円
3,750円×80時間=30万円
この場合、現場エンジニアの採用業務にかかった内部コストは30万円です。
より正確に計算する場合は、給与だけでなく、会社負担の社会保険料、福利厚生費、賞与、設備費などを含めた年間人件費を使用します。
【計算例】エンジニア3人を採用した場合
ここでは、Webエンジニア3人を6か月で採用したケースを想定して計算します。
想定する採用条件
- 採用目標:Webエンジニア3人
- 採用期間:6か月
- 求人媒体:1媒体
- ダイレクトスカウト:1サービス
- 人材紹介会社:2社
- 面接回数:候補者1人につき2回
外部コスト
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 求人媒体 | 80万円 |
| スカウトサービス | 60万円 |
| 人材紹介手数料 | 280万円 |
| 採用管理システム | 12万円 |
| 求人記事・写真制作 | 20万円 |
| 外部コスト合計 | 452万円 |
内部コスト
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 採用担当者の工数 | 80万円 |
| 現場エンジニアの選考工数 | 45万円 |
| 責任者の面接工数 | 15万円 |
| 採用会議・求人作成工数 | 20万円 |
| 内部コスト合計 | 160万円 |
採用コストの計算結果
総採用コスト=452万円+160万円=612万円
1人あたりの採用単価=612万円÷3人=204万円
このケースでは、エンジニア1人あたりの採用単価は204万円です。
人材紹介手数料だけを見ると280万円ですが、求人媒体費や採用担当者、面接官の工数まで含めると、実際には612万円のコストが発生していることが分かります。
採用チャネル別にコストを計算する方法
採用コストは、全体の平均だけでなく、採用チャネル別に計算することが重要です。
採用チャネル別に費用対効果を比較することで、継続すべき手法と見直すべき手法を判断できます。
求人媒体の採用単価
求人媒体の採用単価=媒体費用÷その媒体からの採用人数
求人媒体へ100万円を支払い、その媒体から2人を採用できた場合は、1人あたり50万円です。
100万円÷2人=50万円
ただし、求人票作成や応募者対応にかかった人件費も含めると、実質的な採用単価はさらに高くなります。
人材紹介の採用単価
人材紹介の採用単価=紹介手数料の合計÷採用人数
例えば、年収600万円のエンジニアを、成功報酬210万円で1人採用した場合、採用単価は210万円です。
人材紹介は採用が決定するまで費用が発生しない契約も多い一方で、採用する人材の年収が高いほど、支払う手数料も高くなる傾向があります。
ダイレクトスカウトの採用単価
スカウト採用単価=(サービス利用料+送信工数+選考工数)÷採用人数
ダイレクトスカウトでは、サービス利用料だけでなく、候補者検索、スカウト文面作成、送信、返信対応にかかった時間も含めます。
送信数が多くても返信や採用につながっていない場合、社内工数を含めた採用単価が高くなっている可能性があります。
リファラル採用の採用単価
リファラル採用単価=(紹介報酬+社内告知費+対応工数)÷採用人数
リファラル採用は、求人媒体や人材紹介に比べて外部コストを抑えやすい採用手法です。
ただし、社内への告知、紹介者とのやり取り、候補者対応、紹介報酬などの費用は発生します。
RPO・採用代行の採用単価
RPO利用時の採用単価=(RPO費用+媒体費+社内の選考工数)÷採用人数
RPOや採用代行を利用する場合は、委託費だけでなく、採用人数や社内工数の削減効果も含めて評価します。
確認したい主な項目は次のとおりです。
- 採用担当者の工数がどの程度削減されたか
- スカウト送信数が増えたか
- スカウト返信率が改善したか
- 面接設定数が増えたか
- 採用期間が短縮されたか
- 採用目標人数を達成できたか
エンジニア採用コストを左右する要因
エンジニア採用の費用は、採用する職種や条件によって大きく変わります。
採用する職種
同じエンジニア採用でも、職種によって候補者数や採用難易度が異なります。
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- インフラエンジニア
- 社内SE
- QAエンジニア
- SRE
- セキュリティエンジニア
- AI・機械学習エンジニア
- テックリード
- エンジニアリングマネージャー
- CTO・VPoE
候補者が少ない職種や高い専門性が必要な職種ほど、採用期間が長くなり、採用コストも高くなりやすくなります。
必要な経験年数とスキル
複数のプログラミング言語、特定のフレームワーク、マネジメント経験、業界経験など、多くの条件を必須にすると、対象となる候補者が少なくなります。
採用要件を厳しくするほど必ず優秀な人材を採用できるわけではありません。入社後に習得できるスキルと、採用時点で必要なスキルを分けることが重要です。
想定年収
採用したい人材の経験やスキルに対して、提示する年収が市場と合っていない場合、応募やスカウト返信が集まりにくくなります。
人材紹介を利用する場合は、想定年収が高くなるほど成功報酬も増える可能性があります。
企業の知名度と採用競合
知名度の高い企業と同じ採用市場で競争する場合、給与だけでなく、仕事内容、開発環境、働き方、キャリアパス、技術的な魅力を伝える必要があります。
採用広報や求人票の改善が不十分な場合、求人広告費やスカウト送信数を増やしても、採用につながらない可能性があります。
採用期限
短期間で採用人数を確保しなければならない場合、複数の求人媒体や人材紹介、スカウトサービスを同時に利用する必要があり、採用コストが高くなることがあります。
反対に、採用計画を早めに立て、候補者との接点を継続的に作ることで、特定の採用手法への依存を減らせます。
採用コストを比較するための指標
エンジニア採用の費用対効果を分析するには、採用単価だけでなく、採用ファネルごとの数値を確認します。
応募単価
応募単価=採用チャネルの費用÷応募数
求人媒体へ50万円を支払い、50件の応募があった場合、応募単価は1万円です。
有効応募単価
有効応募単価=採用チャネルの費用÷採用要件を満たす応募数
エンジニア採用では、応募数が多くても、必要な経験やスキルを持つ応募者が少ないことがあります。
そのため、単純な応募単価だけでなく、採用要件を満たしている応募者の獲得単価を確認することが重要です。
面接単価
面接単価=採用チャネルの費用÷面接人数
応募は集まっているものの面接につながらない場合は、求人票、採用要件、書類選考基準などに問題がある可能性があります。
内定単価
内定単価=採用チャネルの費用÷内定人数
面接数に対して内定数が少ない場合は、候補者の選定や面接評価基準を見直す必要があります。
採用単価
採用単価=採用チャネルの費用÷入社人数
内定者が多くても入社につながらない場合は、オファー条件、面接時の情報提供、選考スピード、内定後のフォローなどを改善します。
定着採用単価
採用後の定着まで含めて費用対効果を確認する場合は、定着採用単価を計算します。
定着採用単価=採用コスト総額÷入社後6か月または12か月時点の在籍人数
例えば、600万円の採用コストで3人を採用し、そのうち1人が早期離職した場合を考えます。
- 入社時点の採用単価:600万円÷3人=200万円
- 定着採用単価:600万円÷2人=300万円
入社人数だけを基準にすると採用単価は200万円ですが、定着人数を基準にすると300万円です。
採用後の早期離職が発生している場合は、採用単価だけでなく、定着採用単価も確認する必要があります。
エンジニア採用コストが高くなる原因
採用要件が高すぎる
採用要件に多くの条件を設定すると、対象となる候補者が少なくなります。
- 必須条件が多すぎる
- 歓迎条件まで必須条件にしている
- 想定年収と求める経験が合っていない
- 市場にほとんど存在しない人材像になっている
採用要件を作成するときは、「入社初日から必要なスキル」と「入社後に習得できるスキル」を分けて考えます。
採用チャネルが自社に合っていない
採用媒体によって、登録している候補者の職種、年齢、経験、転職意欲は異なります。
自社が求める候補者が少ない媒体を使い続けても、応募や採用にはつながりません。
媒体ごとに、応募数、有効応募数、面接数、内定数、入社数を確認し、費用対効果を比較する必要があります。
スカウトの返信率が低い
スカウトを大量に送信しても、返信率が低ければ採用単価は高くなります。
返信率が低い主な原因は次のとおりです。
- 誰にでも送っているような文面になっている
- 候補者を選んだ理由が書かれていない
- 仕事内容が具体的に説明されていない
- 開発環境や技術的な魅力が分からない
- 年収や働き方などの条件が曖昧
- 募集ポジションと候補者の経験が合っていない
スカウトでは送信数だけでなく、開封率、返信率、面談承諾率、面接移行率、採用率を確認します。
選考途中の辞退が多い
応募や面接が集まっていても、選考途中で辞退されると、面接官や採用担当者の工数が無駄になります。
選考辞退につながりやすい要因には、次のようなものがあります。
- 応募後の連絡が遅い
- 面接日程がなかなか決まらない
- 面接回数が多い
- 面接官によって説明内容が異なる
- 仕事内容や開発環境が分からない
- 候補者が知りたい情報を提供できていない
現場エンジニアの工数が増えている
技術面接やカジュアル面談を現場社員へ依頼する場合、本来の開発業務を中断することになります。
面接対象者の選定が不十分な場合や、評価基準が統一されていない場合は、現場社員の採用工数が増えやすくなります。
早期離職が発生している
採用したエンジニアが短期間で退職した場合、再び求人広告、人材紹介、スカウト、面接などの費用が発生します。
早期離職が多い場合は、採用手法だけでなく、求人票の情報、面接時の説明、配属先、仕事内容、評価制度、オンボーディングも見直す必要があります。
採用の質を下げずにコストを削減する方法
採用要件を見直す
最初に、採用したい人物像と採用要件を見直します。
必須条件を増やしすぎると候補者が少なくなるため、条件を次の3つに分ける方法が有効です。
- 入社時点で必ず必要な条件
- あることが望ましい条件
- 入社後に習得できる条件
現場社員、採用担当者、責任者の間で採用要件を統一することで、書類選考や面接の判断も早くなります。
職種別・採用チャネル別に採用単価を計算する
全職種をまとめて計算すると、どの採用活動に問題があるのか分かりにくくなります。
次の単位で採用単価を分けて計算しましょう。
- 職種別
- 採用チャネル別
- 経験年数別
- 採用担当者別
- 採用時期別
- 採用プロジェクト別
例えば、求人媒体では若手エンジニアの採用単価が低く、人材紹介ではマネジメント層の採用成功率が高いなど、採用チャネルごとの特徴を把握できます。
求人票を改善する
求人票の情報が不足していると、応募が集まらないだけでなく、採用後のミスマッチにもつながります。
エンジニア向け求人票では、次の項目を具体的に記載します。
- 募集背景
- 担当するプロダクトやサービス
- 具体的な業務内容
- 開発言語やフレームワーク
- インフラや開発ツール
- チーム構成
- 開発の進め方
- 技術的な課題
- 入社後に期待する役割
- 評価制度
- キャリアパス
- リモートワークや勤務条件
候補者が入社後の仕事内容をイメージできる求人票を作ることで、応募の質や選考移行率の改善が期待できます。
スカウトの対象者と文面を改善する
スカウトの送信数を増やす前に、対象者と文面を見直します。
候補者の職務経歴や経験に触れ、なぜ自社から声をかけたのかを具体的に伝えることが重要です。
また、スカウトの効果は次の指標で確認します。
- 送信数
- 開封率
- 返信率
- 面談承諾率
- 面接移行率
- 内定率
- 入社率
返信率だけでなく、最終的に採用につながったかどうかまで確認します。
選考フローを短縮する
優秀なエンジニアは複数企業の選考を同時に受けていることがあります。
選考に時間がかかると、他社の内定を承諾される可能性が高くなります。
選考フローを改善する方法には、次のようなものがあります。
- 書類選考基準を統一する
- 応募者への初回連絡を早くする
- 日程調整ツールを導入する
- 面接回数を見直す
- 評価シートを統一する
- 面接終了後すぐに評価を入力する
- オファー条件を事前に整理する
採用業務の一部を外注する
採用担当者が不足している場合や、現場社員が採用業務に多くの時間を使っている場合は、RPOや採用代行を利用する方法があります。
外注しやすい採用業務には、次のようなものがあります。
- 採用計画の作成
- 採用要件の整理
- 求人票の作成
- 採用媒体の選定
- 候補者の検索
- スカウト文面の作成
- スカウト送信
- 応募者対応
- 面接日程の調整
- 採用KPIの集計
- 採用活動の改善提案
すべてを外注するのではなく、社内で負担になっている業務だけを委託する方法もあります。
RPOを利用すると採用コストは下がるのか
RPOや採用代行を利用すると委託費が発生するため、単純な支払額だけを見るとコストが増える場合があります。
一方で、採用担当者や現場社員の工数が減り、採用人数が増えれば、1人あたりの採用単価が下がる可能性があります。
RPO利用前後の計算例
次の表は、自社運用とRPO利用時を比較した試算例です。
| 項目 | 自社運用 | RPO利用 |
|---|---|---|
| 採用担当者の工数 | 200万円 | 80万円 |
| 現場社員の採用工数 | 80万円 | 50万円 |
| 媒体・ツール費 | 150万円 | 150万円 |
| RPO費用 | 0円 | 180万円 |
| 総コスト | 430万円 | 460万円 |
| 採用人数 | 2人 | 4人 |
| 1人あたりの採用単価 | 215万円 | 115万円 |
この例では、RPO利用後の総コストは30万円増えています。
しかし、採用人数が2人から4人へ増えたことで、1人あたりの採用単価は215万円から115万円に下がっています。
RPOの導入を判断するときは、委託費だけでなく、採用人数、採用期間、社内工数、採用目標の達成率を含めて評価することが重要です。
RPO導入効果の計算方法
RPO導入効果=削減できた社内人件費+採用改善による効果-RPO費用
金額だけでなく、次の指標も確認しましょう。
- 採用目標達成率
- 採用期間
- スカウト返信率
- 面接設定率
- 内定承諾率
- 現場社員の採用工数
- 採用後の定着率
現在のエンジニア採用コストを確認しませんか?
求人媒体費や人材紹介手数料だけでなく、採用担当者・現場エンジニアの工数まで含めて採用コストを整理します。
採用チャネル別の費用対効果や、採用単価を抑えるための改善方法についてご相談いただけます。
エンジニア採用コスト計算シートに必要な項目
採用コストを継続的に管理する場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートで計算表を作成すると便利です。
外部コストの入力項目
- 求人広告費
- 人材紹介手数料
- スカウトサービス費
- スカウト代行費
- RPO・採用代行費
- 採用管理システム費
- 適性検査費
- 求人コンテンツ制作費
- 採用イベント費
内部コストの入力項目
- 採用担当者の稼働時間
- 採用担当者の時間単価
- 面接官の稼働時間
- 面接官の時間単価
- 責任者の稼働時間
- 採用会議の時間
- スカウト送信時間
- リファラル採用の報酬
採用成果の入力項目
- 応募数
- 有効応募数
- 書類選考通過数
- 面接数
- 内定数
- 内定承諾数
- 入社人数
- 6か月後の在籍人数
- 12か月後の在籍人数
計算シートで表示したい結果
- 外部コスト合計
- 内部コスト合計
- 採用コスト総額
- 1人あたりの採用単価
- 応募単価
- 有効応募単価
- 面接単価
- 内定単価
- 定着採用単価
- 採用チャネル別の採用単価
計算シートのCTA設置例
エンジニア採用にかかった外部コスト・内部コストを入力するだけで、採用単価を自動計算できるシートを無料でダウンロードできます。
エンジニア採用コストに関するよくある質問
採用担当者の給与も採用コストに含めますか?
採用業務に使った時間または業務割合をもとに、内部コストとして計算します。
採用担当者が採用業務だけを担当している場合は、対象期間の人件費を計上します。ほかの業務と兼任している場合は、採用業務に使った時間の割合で按分します。
面接官となるエンジニアの人件費も含めますか?
書類選考、カジュアル面談、技術面接、評価会議に使った時間を内部コストとして計算します。
現場エンジニアの時間単価が高い場合、面接対象者の選定や選考回数を見直すことで、採用コストを削減できる可能性があります。
採用後の研修費用も採用コストに含めますか?
一般的には、採用費用と育成費用を分けて管理します。
ただし、入社から戦力化までにかかった総費用を確認する場合は、研修費用、教育担当者の人件費、PCやツールの費用も別項目として計上します。
採用者が0人だった場合はどう計算しますか?
採用者が0人の場合、1人あたりの採用単価は計算できません。
その場合は、使用した費用を未回収の採用投資として記録し、応募単価、有効応募単価、面接単価などを使って、どの段階に問題があったか分析します。
人材紹介と求人媒体はどちらが安いですか?
契約費用だけでは一概に判断できません。
求人媒体は複数人を採用できれば1人あたりの採用単価を抑えられる可能性がありますが、応募者対応や求人票改善などの社内工数が発生します。
人材紹介は採用決定まで費用が発生しない契約もありますが、採用する人材の年収によって手数料が高くなる場合があります。
採用人数、採用期間、社内工数、採用後の定着率まで含めて比較しましょう。
採用コストはどの期間で計算しますか?
年度、半期、四半期、採用プロジェクト単位など、比較しやすい期間に統一して計算します。
採用活動が長期間にわたる場合は、月ごとの推移も確認すると、採用コストが増えている原因を見つけやすくなります。
エンジニアの採用単価が高いかどうかはどう判断しますか?
市場の平均値だけで判断せず、自社の過去実績と比較することが重要です。
また、職種、経験年数、想定年収、採用チャネル、採用期間、定着率によって適正な採用単価は異なります。
採用単価が高くても、採用難易度の高いポジションを短期間で採用でき、入社後に長く活躍している場合は、費用対効果が高いと判断できることもあります。
まとめ|エンジニア採用コストは内部工数まで含めて計算する
エンジニア採用コストを正しく把握するには、求人媒体費や人材紹介手数料などの外部コストだけでなく、採用担当者や現場エンジニアの人件費も含める必要があります。
1人あたりの採用単価は、次の式で計算できます。
1人あたりの採用単価=(外部コスト+内部コスト)÷採用人数
採用コストを改善するためには、全体の平均だけでなく、職種別・採用チャネル別に費用を計算することが重要です。
- 外部コストと内部コストを分けて集計する
- 採用担当者や面接官の工数を人件費として計算する
- 職種別・採用チャネル別に採用単価を比較する
- 応募単価、面接単価、内定単価も確認する
- 入社人数だけでなく定着人数を基準にした単価も確認する
- 採用要件、求人票、スカウト、選考フローを改善する
採用コストが高い場合でも、単純に求人広告費を削減するだけでは、応募や採用人数まで減ってしまう可能性があります。
採用活動のどの段階に問題があるのかを数値で確認し、採用の質を維持しながら改善することが重要です。
エンジニア採用のコストや進め方でお困りではありませんか?
採用チャネルの選定、求人票の作成、スカウト運用、応募者対応など、エンジニア採用に関する課題を整理し、採用単価を改善するための方法をご提案します。
