「エンジニアからの応募が来ない…」「職種ごとの書き分けが難しい…」
このようにエンジニアの求人票の書き方に悩まれている声をよく聞きます。
エンジニア採用で最も重要なのは、「技術情報の具体性」です。
エンジニアの求職者が本当に求めているのは、きれいな言葉よりも「使用ツールのバージョン」や「チーム構成」といった詳細な事実だからです。
本記事では、エンジニア採用支援のエコーズが「エンジニア求人票の書き方」を徹底解説します。Web系・インフラ・AIなど、市場ニーズの高い「代表的な10職種別の求人テンプレート(例文)」も公開。
テンプレートを参考に具体性を高めるだけで、反応は劇的に変わります。ぜひ自社の求人作成にお役立てください。
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その原因、実は「書き方」以外の場所にあるかもしれません。
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目次
- エンジニア求人票の質が採用の成否を分ける理由
- エンジニアが求人票でチェックしている3つの重要項目
- エンジニア求人票の書き方|応募を集めるライティングのコツ3選
- エンジニア求人票の例文・テンプレート【代表的な10職種】
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#1 Web系エンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#2 オープン系/業務系エンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#3 スマホアプリエンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#4 フロントエンド/マークアップエンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#5 サーバーエンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#6 クラウドエンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#7 AI・機械学習エンジニア
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#8 プロジェクトマネージャー(PM)
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#9 社内SE
- エンジニア求人票の例文・テンプレート#10 テストエンジニア(QA)
- エンジニア求人票で避けたいNG表現と失敗例
- まとめ
エンジニア求人票の質が採用の成否を分ける理由

エンジニア採用において、求人票はすべての採用施策における「最終的な着地地点」です。
スカウトメール、求人広告、エージェントからの紹介。どんなきっかけで貴社に興味を持ったとしても、エンジニアは応募ボタンを押す直前に、必ず求人票の「中身」を精査します。
入り口でどれだけ魅力を伝えても、肝心の求人票に具体的な技術情報がなければ、エンジニアは「自分向きの会社ではない」と判断し、離脱してしまいます。つまり、求人票の質が低いままでは、スカウトや広告に投じた費用と工数がすべて無駄になってしまうのです。
小手先のテクニックに頼る前に、まずは候補者が最後にたどり着く「求人票」を見直すことが、採用成功への最短ルートです。
エンジニアが求人票でチェックしている3つの重要項目

エンジニアは、求人票を見る際に「何を作るか(業務)」と同じくらい、「どう作るか(環境)」や「どう報われるか(待遇)」を見ています。
給与や勤務地といった基本条件だけでなく、PCスペックや開発フロー、チーム体制まで具体的に書かれていないと、「エンジニアへの理解がない会社」と判断され、応募の選択肢から外れてしまうからです。
求人票を作成する際は、以下の3つのカテゴリーを網羅できているか必ず確認してください。
| カテゴリ | エンジニアが注目している項目例 |
|---|---|
| 1. 労働条件・待遇 | 給与レンジ(実態)、リモート頻度、残業時間、フレックス |
| 2. 開発環境・技術 | 言語・FW(バージョン含む)、PCスペック、インフラ、ツール |
| 3. 業務内容・組織 | 事業フェーズ、チーム人数・構成、解決すべき課題 |
それぞれの項目について、具体的にどのように記載すべきか解説します。
エンジニアが求人票でチェックしている3つの重要項目#1
労働条件・待遇(給与レンジ・働き方)
給与レンジは「500万〜700万円」のように幅を絞り、勤務ルールは数値を交えて具体的に記載してください。
「400万〜1000万円」のような広すぎる記載は、「どうせ下限スタートだろう」「安く買い叩かれるのではないか」という不信感を招く恐れがあります。ターゲット層の実力に見合った、現実的なレンジを示すのが誠実です。
また、働き方についても「リモート可」の一言で済ませてはいけません。
- 週あたりのリモート頻度(例:週3回推奨)
- フレックスのコアタイムの有無
- 残業時間の平均実績
このように条件をあやふやにせず、「自社のリアルな働き方」を数値で提示することが、マッチ度の高い人材を集める第一歩です。
エンジニアが求人票でチェックしている3つの重要項目#2
開発環境・技術スタック
使用している技術は、言語名だけでなく「バージョン番号」まで正確に記載し、ハードウェア環境もアピールしてください。
エンジニアにとって、技術スタックはキャリアそのものです。単に「Java」と書く企業と、「Java 17 (一部Kotlinへ移行中)」と書く企業では、後者の方が「技術トレンドを追っている」「技術的負債への感度が高い」と判断されます。
また、開発マシンのスペック(メモリやCPU)や、デュアルディスプレイの支給有無も重要です。
これらを細かく書くことは、「エンジニアの生産性に投資をする企業である」という、効果的なアピールになります。
エンジニアが求人票でチェックしている3つの重要項目#3
業務内容・ミッション(役割の解像度)
「自社サービスの開発」といった大枠だけでなく、「どのフェーズの」「何の課題を解決するか」まで解像度を高めて記載しましょう。
事業フェーズが「0→1の立ち上げ」なのか、「10→100の安定稼働・保守」なのかによって、求められるスキルセットもマインドも全く異なります。この説明が不足していると、入社後の深刻なミスマッチにつながります。
さらに、チーム体制の記載も必須です。「CTO直下」「エンジニア5名のスクラムチーム」など、「誰と、どのような役割分担で働くか」を可視化してください。求職者が自分が入社後に活躍する姿を、具体的にイメージできるようにすることが重要です。
エンジニア求人票の書き方|応募を集めるライティングのコツ3選

人事目線(どんな人が欲しいか)から、エンジニア目線(どんな環境で働けるか)へ視点を切り替えて執筆しましょう。
ここでは、応募を集めるライティングの「3つのコツ」を解説します。
エンジニア求人票の書き方|応募を集めるライティングのコツ#1
求める人物像は「Must」と「Want」を明確に分ける
採用要件における「Must(必須要件)」は、業務遂行に欠かせないスキルのみに厳選し、その他はすべて「Want(歓迎要件)」に分類しましょう。
真面目で優秀なエンジニアほど、「要件が一つでも欠けていると応募してはいけない」と謙遜し、応募を自重する傾向があります。必要以上のスキルを必須条件に含めると、本来マッチするはずの優秀な人材が応募を躊躇し、大きな機会損失につながります。
また、スキルの記載方法にも注意が必要です。「Java経験3年」といった年数表記は、個人の経験密度による差が大きいため判断基準として曖昧になりがちです。
「Spring Bootを用いたAPI設計・実装経験」のように「具体的な経験内容」を重視して記載することで、即戦力となる人材への訴求力が高まります。
応募のハードルを適切に設定し、まずは「会って話す」ための母集団形成を最優先に考えてください。
エンジニア求人票の書き方|応募を集めるライティングのコツ#2
抽象的な「形容詞」を具体的な「事実」に変換する
「風通しの良い職場」や「成長できる環境」といったフレーズは使用せず、具体的な制度や仕組みという「事実」に変換して伝えてください。
多くの企業が使用する「アットホーム」という言葉には、求職者が判断できる具体的な情報が含まれていません。「社長も同じフロアでフリーアドレス」「Slackで全チャンネルがオープン」といった客観的な事実こそが、風通しの良さを証明する確かな根拠になります。
エンジニアは感情的なアピールよりも、論理的な裏付けを好みます。「良い雰囲気」を主張するのではなく、以下のように「良い環境である根拠」を提示することで、納得感と信頼感を高められます。
▼ 形容詞から事実への変換例
| 抽象的な表現(NG) | 具体的な事実(OK) |
|---|---|
| 技術に挑戦できる環境 | 技術選定は現場のボトムアップで決定、月1回の技術勉強会を実施 |
| 風通しの良い職場 | CTOと週1回の1on1を実施、SlackでのDM禁止(Open推奨) |
| 成長できる環境 | 書籍購入費・セミナー参加費を全額会社負担 |
具体的な事実を記載し、エンジニアからの信頼を醸成しましょう。
エンジニア求人票の書き方|応募を集めるライティングのコツ#3
自社の「技術的課題(弱み)」も正直に公開する
自社が抱える技術的な課題や弱み、例えばレガシーな開発環境なども隠さずに公開し、「解決すべきミッション」としてポジティブに書き換えましょう。
すべてのエンジニアが「整備された完璧な環境」を求めているわけではありません。「技術的負債を解消するプロセス」や「ゼロから環境を整えていくフェーズ」に意欲を燃やす層も一定数存在します。
「レガシーシステムからの脱却中」や「テスト自動化が未整備」といった現状を正直に伝えた上で、「だからこそ、あなたの力が必要です」と訴求することが重要です。
課題を隠さずに提示する企業の姿勢は誠実さと受け取られ、心理的安全性を重視するエンジニアからの深い信頼獲得に繋がります。弱みは隠すものではなく、適切な人材を惹きつけるためのフックとして活用してください。
エンジニア求人票の例文・テンプレート【代表的な10職種】
代表的な10職種ごとの求人票の具体的な書き方を解説します。
同じエンジニアでも、Web系とインフラ系では見るポイントが全く異なります。以下のテンプレートを参考に、自社の魅力に合わせてカスタマイズしてください。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#1
Web系エンジニア
Web系エンジニアは技術選定の理由と、モダンな開発プロセスをアピールしてください。
Web系エンジニアは技術トレンドとその「採用理由」に敏感です。単に使用言語を羅列するだけでなく、「なぜGo言語を採用したのか(並行処理性能、型安全性など)」という技術的な意思決定の背景や、CI/CDによるデプロイ頻度など、開発体験(DX)の高さを強調します。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・Go言語を用いたWeb APIの設計・開発・運用経験 ・AWS/GCP等のパブリッククラウド上でのコンテナ運用経験 ・GitHub Actions等を用いたCI/CD環境の構築・運用経験 【歓迎スキル】 ・マイクロサービスアーキテクチャの設計経験 ・gRPCを用いたサービス間通信の実装経験 ・Terraformによるインフラのコード化(IaC)経験 【技術スタック】 ・言語:Go (v1.21+), Python (分析用) ・FW:Gin, Connect ・インフラ:AWS (EKS, Aurora, ElastiCache) ・監視:Datadog, Sentry 【技術選定の背景】 高トラフィックな決済基盤を刷新するにあたり、並行処理性能と型安全性を重視してGo言語を採用しました。現在はモノリスからマイクロサービスへの移行フェーズにあり、ドメイン駆動設計(DDD)に基づいた疎結合な設計を推進しています。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#2
オープン系/業務系エンジニア
プロジェクトの商流(プライム案件か)と、上流工程への関与を明確にしてください。
SIerや受託開発の場合、「言われた通りに作るだけ」になることを最も懸念します。「要件定義から関われる」「顧客と直接折衝する」といった上流工程への関与や、特定の業界(ドメイン)知識が身につく点を具体的に提示しましょう。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・JavaまたはC#を用いたWebアプリケーション詳細設計・実装経験 ・複雑なSQL(結合・サブクエリ)を用いたDB操作の実務経験 ・基本設計書の作成およびレビュー経験 【歓迎スキル】 ・顧客(エンドユーザー)との要件定義・折衝経験 ・5名以上のチームにおけるリーダー経験(進捗管理・メンター) ・金融業界(銀行・証券)の業務知識 【案件の特長】 ・商流:1次請け(プライム)案件が9割以上 ・体制:自社社員5〜10名のチーム単位で配属 ・工程:要件定義からリリース後の保守まで一貫して担当 【キャリアパス】 実装スキルを磨いた後は、PMとしてプロジェクト管理に進むか、ITアーキテクトとして技術を極めるかを選択できる複線型人事制度を導入しています。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#3
スマホアプリエンジニア
OSバージョンへの追従姿勢と、UI/UXデザインへの関与度合いを記載してください。
最新OSへの対応スピードや、SwiftUI/Jetpack Composeといった宣言的UIの導入状況を書きます。また、Figma等を使ってデザイナーと共通言語で会話しているかどうかも、働きやすさの重要な指標です。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・Swiftを用いたiOSアプリ、またはKotlinを用いたAndroidアプリ開発経験 ・MVVM / Clean Architecture等のアーキテクチャに基づいた実装経験 ・GitHubを用いたプルリクエストベースのチーム開発経験 【歓迎スキル】 ・SwiftUI / Jetpack Composeを用いたモダンなUI実装経験 ・Bitrise / GitHub Actions等のCI/CD環境構築経験 ・アプリのパフォーマンスチューニング経験 【開発環境】 ・言語:Swift 5.x, Kotlin 1.x ・デザイン連携:Figma ・ソース管理:GitHub 【デザイン・開発フロー】 企画段階からエンジニア、デザイナー、PdMが同席して仕様を決定します。Figma上のコンポーネントと実装コードの乖離を防ぐため、デザインシステムの構築・運用にも注力しています。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#4
フロントエンド/マークアップエンジニア
パフォーマンス・アクセシビリティへの意識と、コンポーネント設計思想を強調してください。
単に「Reactが書ける」だけでなく、Core Web Vitals(表示速度指標)の改善経験や、アクセシビリティ対応、Atomic Design等のコンポーネント設計経験など、「品質へのこだわり」を明記すると優秀な層に刺さります。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・TypeScript, React, Next.jsを用いたSPA開発経験 ・アクセシビリティ(a11y)やセマンティックなマークアップへの理解 ・APIとの非同期通信の実装経験(SWR / TanStack Query等) 【歓迎スキル】 ・Webパフォーマンスチューニング(Lighthouseスコア改善等)の経験 ・Atomic Design等に基づいたコンポーネント設計・運用経験 ・Storybookを用いたUIコンポーネント管理経験 【開発環境】 ・言語:TypeScript ・FW:Next.js (App Router導入中) ・スタイリング:Tailwind CSS ・テスト:Jest, Playwright 【注力している領域】 現在、Core Web Vitalsのスコア改善を最重要課題としています。また、デザイナーと連携し、FigmaのVariables機能を活用したデザインシステムのコード化も推進しています。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#5
サーバーエンジニア
インフラの環境(オンプレ/クラウド)と、課題解決のフェーズを正直に書いてください。
オンプレミス環境があるなら隠さず、「クラウドへの移行(リフト&シフト)」をミッションとして提示します。また、物理サーバーの台数やトラフィック規模、夜間対応の有無(および手当・代休)を明記し、運用体制への誠実さをアピールしてください。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・Linuxサーバー(RHEL/CentOS)の構築・運用・チューニング経験 ・Webサーバー(Nginx)およびRDBMS(MySQL)のパフォーマンス改善経験 ・ShellScript / Python等による運用自動化ツールの作成経験 【歓迎スキル】 ・オンプレミス環境からAWS/Azureへの移行計画・実行経験 ・大規模トラフィック(秒間数万リクエスト)の負荷分散経験 ・Ansible / Terraform等を用いた構成管理経験 【環境・体制】 ・OS:Linux (CentOS, Amazon Linux 2023) ・DB:MySQL, Redis ・監視:Zabbix, Mackerel, PagerDuty 【現在の課題とミッション】 長年オンプレミスで運用してきた基幹システムの一部を、AWSへ移行するプロジェクトが始動しています。既存資産を活かしつつ、クラウドネイティブな構成へ段階的にモダナイズしていく設計・推進を求めています。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#6
クラウドエンジニア
インフラ構築を「手作業」で行っているか、「コード(IaC)」で自動化しているかを明確にしてください。
モダンなエンジニアは、管理画面での手動設定を嫌います。Terraform等を使ってインフラをコード化しているか、手作業などの運用負荷(トイル)を減らす仕組みがあるかどうかが、応募の重要な判断基準になります。
コンテナ(Kubernetes)やサーバーレスの活用状況も記載し、技術投資の深さを伝えます。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・AWS/GCPいずれかのパブリッククラウドにおけるアーキテクチャ設計経験 ・Terraform / CloudFormation等を用いたIaCの実務経験 ・Dockerコンテナの設計・本番運用経験 【歓迎スキル】 ・Kubernetes (EKS/GKE) のエコシステムを活用した運用経験 ・CI/CDパイプラインの最適化経験 ・SLO/SLIの策定およびエラーバジェットを用いた運用経験 【技術スタック】 ・クラウド:AWS (EKS, Fargate, Lambda) ・IaC:Terraform, ArgoCD ・監視:Datadog 【SREの方針】 「Infrastructure as Code」を徹底しており、コンソール画面からの手動変更は原則禁止しています。トイル(労苦)を撲滅し、サービスの信頼性と開発速度を両立させるための自動化基盤整備に注力いただけます。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#7
AI・機械学習エンジニア
「研究(PoC)」で終わらせず、「実運用(MLOps)」へ繋げる環境であることを証明してください。
AIエンジニアが最も恐れるのは「PoC疲れ」です。モデルをプロダクトに組み込み、継続学習させるMLOps環境や、学習データの質・量、論文調査への支援(業務時間内の調査可否など)を明記します。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・Pythonを用いた機械学習/深層学習モデルの構築経験 ・PyTorch/TensorFlow等のフレームワーク使用経験 ・SQLを用いた大規模データの抽出・加工(前処理)経験 【歓迎スキル】 ・MLOpsの実践経験(学習パイプラインの構築、モデルサービング) ・AWS SageMaker / Vertex AI等のマネージドサービス活用経験 ・最新論文(ArXiv等)のサーベイおよび実装能力 【研究開発環境】 ・基盤:AWS, GCP (BigQuery) ・マシン:NVIDIA A100利用可能 ・制度:業務時間の20%を論文調査・学会参加に充当可 【この仕事の魅力】 「作って終わり」のPoC案件はありません。開発したモデルは自社SaaSに組み込まれ、ユーザーの行動データに基づいて継続的に再学習・改善サイクルを回すMLOps環境での開発になります。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#8
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトの規模(予算・人数)と、技術的な裁量権の範囲を数値で示してください。
PM自身に技術的なバックグラウンド(技術選定やアーキテクチャ決定権)が求められるか、ビジネス折衝がメインかを明確にします。開発手法(アジャイル/スクラム)についても触れ、プロジェクトの進め方をイメージさせましょう。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・Webシステム開発におけるPM経験(メンバー10名以上、期間半年以上) ・WBS作成、工数見積もり、予実管理の経験 ・エンジニアおよびビジネスサイド(事業責任者)との折衝経験 【歓迎スキル】 ・エンジニアとしての開発実務経験(言語不問) ・認定スクラムマスター(CSM)資格 ・予算管理(P/L責任)および採用計画の策定経験 【担当プロジェクト例】 ・新規SaaSプロダクト開発(予算1億円、メンバー15名、期間1年) ・レガシーシステムのリプレイス(マイクロサービス化) 【裁量の範囲】 事業責任者と共にロードマップを策定します。技術選定や採用技術の決定権は開発チームにありますが、PMも議論に参加し、ビジネスインパクトの観点から技術的意思決定に関与します。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#9
社内SE
「便利屋」ではなく、経営課題を解決する「戦略的IT部門」であることを伝えてください。
ヘルプデスク業務だけでなく、DX推進、SaaS導入による業務フロー改善など、攻めのIT投資に関われることを強調します。CIOや経営層直下であれば、意思決定のスピード感も魅力になります。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・社内システムの運用保守、またはITインフラの構築経験 ・IdP(Okta/Azure AD)を用いたID管理・認証基盤の運用経験 ・SaaS導入におけるベンダー選定・折衝経験 【歓迎スキル】 ・社内ネットワーク(ゼロトラスト等)の設計・構築経験 ・GAS / Python等を用いた業務自動化ツールの作成経験 ・ISMS / Pマーク等のセキュリティ認証運用経験 【主なミッション】 PCキッティング等の定型業務はアウトソースしており、社員は「DX推進」に注力しています。 ・全社的な生成AI活用基盤の構築 ・基幹システムのクラウド移行(脱レガシー) ・各部署の業務フロー分析とSaaS導入提案 【ポジションの魅力】 CIO直下の組織で、経営戦略に基づいたIT投資の企画から実行までをリードできます。
エンジニア求人票の例文・テンプレート#10
テストエンジニア(QA)
テスト実行だけでなく、「品質保証(QA)」として上流から関与できることを強調してください。
開発が終わってからテストするのではなく、要件定義段階から参画する「シフトレフト」の動きや、E2Eテスト自動化への取り組みを記載します。品質のゲートキーパーとして尊重される環境であることを伝えましょう。
■ 求人票の記載例
【必須スキル】 ・Webアプリケーション等のテスト計画・設計・実施経験 ・JSTQB Foundation Level相当の知識 ・開発チームへの不具合報告および改善提案経験 【歓迎スキル】 ・Selenium / Playwright / Autify等を用いたテスト自動化経験 ・CI/CDパイプラインへの自動テスト組み込み経験 ・開発上流工程(要件定義)からのQA参画経験 【QAの立ち位置】 「バグを見つける」だけでなく「バグを作り込まないプロセス」を構築します。開発初期の仕様検討会からQAエンジニアが参加し、テスト容易性や仕様の矛盾について指摘を行う権限(シフトレフト)を持っています。
エンジニア求人票で避けたいNG表現と失敗例

良かれと思ったアピールが、エンジニアには「警戒すべき企業」と映るケースがあります。エンジニアは、技術的な矛盾や根拠のない精神論に敏感だからです。
知らず知らずのうちに優秀な人材を遠ざけていないか、以下の3つのパターンを公開前に必ずチェックしてください。
エンジニア求人票で避けたいNG表現と失敗例#1
「やりがい」や「情熱」ばかりを強調した曖昧な表現
求人票から「圧倒的成長」「アットホーム」「夢」といった具体性のない精神論を排除し、客観的な事実のみを記載してください。
これらの言葉は労働環境の悪さを隠すために使われることが多く、エンジニアは「裏があるのではないか」と本能的に警戒するからです。「アットホームな職場」という表現も、「人間関係が濃すぎて面倒そう」「公私の区別がなさそう」といったネガティブな連想を招き、逆効果になりかねません。
エンジニアが求めているのは、感情的な熱量ではなく、開発環境や待遇といった確かな情報です。形容詞で飾ろうとせず、「離職率」や「有給消化率」といった数値データや、具体的な福利厚生制度を提示してください。
「情熱」を語るのではなく、「環境」を語ることが、信頼獲得への近道だと認識しましょう。
エンジニア求人票で避けたいNG表現と失敗例#2
技術用語の誤用・バージョン記載漏れ
求人票の公開前には必ず現場のエンジニアによるダブルチェックを行い、技術用語の表記ミスやバージョンの記載漏れをゼロにしてください。
技術用語の誤用は、エンジニアに対して「技術への理解がない会社」というネガティブな印象を与えてしまうからです。例えば、「Java」と「JavaScript」を混同していたり、すべて大文字で「JAVA」と表記したりするケースがあります。
また、言語やフレームワークのバージョンが記載されていないと、「メンテナンスされていない古いシステムを押し付けられるのではないか」と疑われます。
人事担当者だけで判断せず、必ず技術がわかる人が校閲を行い、技術的な正確性を担保してから公開することを徹底してください。
エンジニア求人票で避けたいNG表現と失敗例#3
実態と乖離した「釣り」条件(給与・業務)
「未経験から年収800万円」といった誇大広告や、実態とかけ離れたキラキラした業務内容で求職者を惹きつける行為は、避けてください。
一時的に見かけの応募数が増えたとしても、スキルアンマッチによる不採用や、入社後の早期離職が多発し、結果として採用コストと工数が膨れ上がるだけです。
さらに、悪質な「釣り求人」はSNSやエンジニアコミュニティで悪い噂として拡散されるリスクが高く、一度失った企業ブランドを取り戻すのは困難です。
例えば、「最先端のAI開発」と募集しておきながら、実際は単純なデータ整理作業を担当させるといった虚偽の記載は、信頼を失います。
自社の弱みや課題も含めて正直に情報開示し、誠実な姿勢でマッチ度の高い人材と向き合う方針を貫きましょう。
まとめ
本記事では、エンジニアからの応募を増やすための求人票の書き方や、職種別のテンプレート、避けるべきNG表現について解説しました。
▼本記事のポイント
- エンジニアが求めているのは、きれいな文章ではなく「技術情報の具体性(ファクト)」である
- 給与、技術スタック、チーム体制などの必須項目は「数値・バージョン」で正確に記載する
- 職種によって見るポイントは異なるため、「10職種別テンプレート」を活用してカスタマイズする
- 抽象的な精神論や実態と異なる記載は避ける。課題も含めた誠実な情報開示が採用成功への近道
「とりあえず求人を出す」状態から脱却し、エンジニアが「ここで働きたい」と具体的にイメージできる求人票へ改善するためのヒントとしてご活用ください。
※無理な営業は一切いたしませんので、ご安心ください。

